2012年3月19日月曜日

どうして、違う子と比べてしまうのかな。どうして、普通の子なんていないのに普通の子を求めるのかな。

どうしてかなあ。なんでかなあ。

他の子と比べて、わが子が劣っている(感じる)ところをみつけて、
悲しむ。悲しくなるのに、普通ではないところをみつけては、悩む。
そして、子どもに対して「どうして、あなたはこうなの?」と思う気持ちを、
ぶつけてしまう。ああ、ごめんね、こんなこと言っちゃって、と、寝ている子に謝る。
謝っても、また朝が来ると、何も変わっていない子どもの姿に、今度は、
「しっかりしなさい!」と、なにがしっかりしたらいいのかわからないことを、
言ってしまう。

リトミックを通して、たくさんのお母さまと接する機会を与えていただきました。
統計などとったことはないのですが、100人の親子がいたら、96人のお母さまは、
このような悩みをどっぷりと抱えて、疲れ切った表情でおっしゃいます。
統計をとったわけではないのに、かなり細かい数字ですが。

みんなそういう悩みを抱えているんだから、いいんですよ、みんないっしょだから、
笑っていきましょう!なんて、いうつもりはないのです。

お母さんだからこそ。そういう悩みがある。母と子だから。
でも、わかっていても苦しいんだよね。

例えばね、毎日悩んでいたのが、一週間に5日になった。
毎日は悲しくなるけれど、たった1時間だけはふっと軽くなった。

そういう感じでたまに気持ちを切り替えることが出来るようになると、
子どもの表情が変わってきます。

「早寝、早起き、朝ごはん!」間違いないです。「早寝、早起き、朝ごはん!」
だけをしっかりしていたらいいか。いや、違うでしょう。
だって、お母さんは、それ以外にたくさんやることがあるからね。

ちょっとだけ長くなるけれど、リトミックをするとどうして心が軽くなるのかを、
「即時反応」というひとつの項目だけ紹介させていただきますね。

リトミックといえば「即時反応」というくらい、もう誰でも知っている内容です。
レッスンでは、お母さんとお散歩しましょう、あ、急に雨が降ってきました!さあ、走っていきましょう、とか、うさぎさんが来た!ぴょんぴょんとジャンプしましょう、など。

これは、このように、「雨が降ってきました!走ってください!」と言葉で行動を促している
わけではないの。リトミックは、経験しないとよさがわからない、理由のひとつがこういうことなんだけど。この言葉からは、残念ながら音が出ないからね。
 すべて、音楽反応で行われていることだから。雨が降ってきたのも音楽。うさぎさんと出会ったのも音楽。すべて、音楽で体が反応していること。

それは、どうしてわかるの?
今は、目で見て文章を読んでいただいているから、目を使っていますよね。
音楽は、どこからわかるの?
そうなんです。「耳」です。そして耳だけではなく「目」。レッスンでのお散歩では使わないけれど、触れるということも教材を通して使います。

  ・見る
  ・聴く
  ・触れる

   ↓

  ・わかる
  ・理解する


うさぎさんの音楽が聴こえてきたな、と、耳を通してわかります。
だから、リトミックは「いい耳」が育つ。集中しないと聴こえないので「集中力」がつく。

ここまでは、ある程度リトミックを経験すると出来るようになります。

ただ、次の、うさぎになる。ことがなかなか進まない。
ここに、リトミックでは「壁」があることがわかりました。
脳の細かいお話は、ここでは省略させていただいて。

よし、ダイエットをするぞ!なになに?毎日5キロ走ったら必ず痩せるらしい。
でもどうしてしないの?

お顔のマッサージを毎日すれば、必ずシミがなくなります。
どうして続かないの?

わかったことを、わかったように、即時に反応することを、
やさしい音楽という手法を使って、子どもたちの脳に働きかけるのです。

この間たまたまust配信していた「社会人基礎力」。
社会人基礎力とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」らしいです。

気づくこと。考えること。行動すること。

脳科学者の茂木健一郎さんは、
気づくこと。考えること。共感すること。

が大切だとおっしゃっています。

さて。最初のお母さまの「どうして」の悩み。そのまま当てはまるんです。
リトミックをすると、
1お子さまのいいところに「気づく」ことが出来る。
2子どもは何を考えているのか、考える。
3そして、子どもと共感することが出来る。

リトミックをしたら、必ずそうなるとは限らないのですが、
いろんな子がいろんな表現をし、それがとても気持ちがいい場所をいっしょに過ごす時間を共にすると、
何か感じることがあることだけは確かです。

失敗をしてほしくない、出来るだけ幸せになってほしい、やさしい子になってほしい。

何をしたらいいのか、いっしょに考えていけることが、
とってもうれしいです。

子どもたちが笑うからね。

 川田智子(いろいろあります。いろんな子がいます。だから世の中幸せいっぱい。)