2010年3月31日水曜日

相手の目を見てお話する

子どもたちが音楽に合わせて歩いています。「二人組」の音の合図で(言葉はなし)すぐにお友達を探します。手をつないで3拍子の曲が流れてきたらダンスをします。
これが、最初はおもしろいくらいにダンスになっていません。バラバラです。自分の気持ちだけでダンスをすると足も手もお友達と合いません。気持ち悪い、なんとも後味の悪い感覚です。

 「お友達の目を見てごらん」とひとこと添えてあげます。

音楽と身体とお友達の呼吸と一緒になった喜びを経験してもらいます。相手の目を見て息をあわせることって楽しいことなんだな、お友達の気持ちをわかってあげるには、目を見てお話しないといけないんだな、と経験を通して学びます。


目の合わない子ども達がたくさん増えてきているように思います。「目を見なさい」ではなくこちらから子どもの目を見てお話していくと、だんだん心を開いてくれますよ。


レッスンの中でのおへんじについてはまた今度♪

2010年3月29日月曜日

聴く力

エミール・ジャック=ダルクローズは、音楽性を高めるためには「よい耳」を持つことが欠かせないと考えていました。「よい耳」とはどんな耳でしょうか?リズムをきっちりと把握して、音のひとつひとつを細かく当てる・・・ことも大事です。

レッスンの中で、子どもたちが音楽に合わせて歩いています。その途中で突然音楽が止まります。それでも、歩き続けている子は耳がまだ発達していないひとつの例です。気づいたらわかったように動きに置き換えるトレーニング(即時反応)を通して「よい耳」を育てていきます。

昨日演奏会がありました。とても素晴らしい歌声に心が癒されているのがわかりました。
遠くの方で、飴でしょうか、なにかをかさかさとあけている音が聞こえてきました。その人に悪気はないのです。気がついていないのでしょうね。

「よい耳」を持つことは、人の気持ちにも気づくこと。人の話に耳を傾けることができること。


リトミックが人間教育と言われるところが、ここにも理由があります。

2010年3月28日日曜日

楽しみ探し

もうすぐ4月ですね。子どもたちの成長が目に見えて心も体も大きくなった、と実感できるうれしい時です。虫たちもこの春の風に誘われてもぞもぞ出てきますね。

毎日楽しいことを探している子どもたち。楽しいことを探す天才です。いっしょにいるだけでわたしまで楽しくさせてくれます。

江戸時代の歌人、橘曙覧は「独楽吟」と題した連作で「たのしみは・・とき」と繰り返す52首もの作品をのこしています。

 
 たのしみは 朝おきいでて 昨日まで
    無かりし花の 咲ける見る時

誰の身にも起きる日常の小さな出来事に楽しみを感じている。すべての歌に共通する味わいである。

 
 たのしみは 空暖かに うち晴し
    春秋の日に 出でありく時



楽しみ探しは、つねに五感を全開にして、かすかな変化を見逃さないこと、と作家の新井満さんはおっしゃっています。

子どもたちに大切なことは、五感を磨くこと。
小さな花を見つけて、きれいだな、いい匂い、触ってみるとふわふわ、ちょっと蜜をすってみようかな、そんな経験こそ大切です。


ひとりひとり違う子どもたち。たくさんの宝物を見せてくれます。4月から新しいSTEPにあがる教室でも、よく見て、よく聴いて、よく感じて、楽しみをいっぱいみつけて大きくなってほしいと願っています。

2010年3月26日金曜日

早寝早起き

ひゅるると肌寒い日ですね。
 咲いた桜もびっくりしちゃっているのではないでしょうか。 

最近キレる子どもが多い原因は、『脳のセロトニン神経が弱って、セロトニン分泌が減ることが子どものキレやすさをつくっていると考えています。子どものセロトニン神経を弱らせているのは、夜遅くまで起きている、朝遅くまで寝ていて朝日を浴びない、一生懸命かまなくても済む食事や、閉じこもってのゲーム、など現代の生活習慣です。』 「セロトニン欠乏症」の著者有田秀穂先生がおっしゃっています。

 幼児期は、一生使う脳が発達する最も大切な時期です。 この時期に脳の大本である脳幹からセロトニンが脳全体に送り込まれます。
規則正しい睡眠がとれていないとセロトニンが発達しないのです。

忙しいお父さまお母さま、したいことやりたいことがいっぱいあって当然ですね。
 でも、我が子を心身ともに元気いっぱい育てる義務もあります。

 できるかぎり、そう無理のないように大人の生活に巻き込まずに、子どもたちに良い生活習慣を与えてあげたいですね。 

そう言われたら、「早く寝なさい!」と目くじら立ててしまいがち。
まずは、いっしょにどうぞ。 

そしてセロトニンを増やすのは、リズミカルな遊び、リズムの運動をするのが一番よいとあります。
 リトミック教育の最大の特徴は、リズム運動(リズムを感じとり、歩いたり走ったり、身体全体で表現する)にあります。

聴こえてくる音楽に合わせて自分も動く。たくさんのリトミックの課題の中で子ども達が一番好きなことです。

 あ、いい天気になってきました。
 わたしも光を浴びに行ってきます!

2010年3月24日水曜日

抱きしめなさい子を

大好きな浜文子さんの詩があります。 抱きしめなさい 子を 育児書を閉じ 子育てセミナーを欠席し 抱きしめなさい 子を 誰にも遠慮せず あなたの子を しっかりと 抱きしめなさい   以下略  ・どんな音楽を聞かせた方がいいですか?    ・絵本はなにがいいですか?    ・おもちゃはやっぱり木のものがいいんでしょうか? たくさんのお母様方からご相談をいただきます。 それだけ子育ては迷い悩む日々。 悩んでいるお母さんは、 素晴らしいですよ。 我が子のために、悩んでいるんです。 きっと今日より明日はもっと素敵なお母さんに なるでしょう。 迷ったら、 ぎゅって抱きしめてあげてください。 それだけでいいんです。 お母さんの心臓の音、 お母さんのお腹の中にいるときから聞いていた声、 それがなによりの音楽です。 お母さんの安心をがお腹いっぱいになった時、 子どもは自立・自律へとつながります。 今年の春の雨の音、桜の色は、 今年だけのもの。 いっしょに楽しんでみましょうね。

2010年3月23日火曜日

共に学び、共に楽しむ

もうすぐ4月。 教室もみんな新しいSTEPに上がるのを楽しみにしています。 この時期になると、木々も葉をつけ花を咲かせ春ならではの華やかな気分を盛り上げてくれますね。 誰も教えてもらっていないのに、木々は自然の変化を自ら感じとって必ず春に花を咲かせているのです。 子どもたちといっしょに過ごしていると、同じだなって思います。音楽や運動もいっしょ。能力や感覚を伴う学習には表には見えない長い時間がかかるのです。 リトミックは、子どもたちの音楽的センスを養う学習法です。子ども自身がいま持てる感覚的な能力を活かしてあげることで音楽の本質にふれる機会を待ちます。音楽を自分で感じ取り、音楽とどっぷり楽しんでいます。 ここまでおいで、これが音楽だよ、なんて、先回りの学習では、子ども自身が考えたり感じたりすることをやめてしまいます。 子どもと共に大人も楽しんじゃいましょう。 先回りをせずにじっくり待ってあげること。 ちらっと咲いている桜の花から教えてもらいました。