2010年4月11日日曜日

リトミックが音楽教育の基礎となる理由

リトミックは、スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズによって考えだされた音楽教育法です。

ダルクローズがリトミック学説の基礎となったエピソードをちょっとご紹介します。



 ~生徒を観察していて、彼は突然、探しているものを発見する。彼は生徒達を見る。音に合わせ、クレッセンドに従い、アクセントを区切って、元気の良い足が地面を打っている。頭が揺れている。生徒達は動くにまかせている。良く見ていよう。体を揺すり、頭を上下に揺すり、左右に振り、拍子を取り…彼等は音楽にひたりきっている。まさにそれだけだ。彼等は感じている。感応している。彼等は楽器そのものだ。そう、彼等は楽器なのだ。ダルクローズは目的に迫り、それを見抜き、そして到達する。彼は発見したのだ!身体は第1番目の楽器、活発な精神の動きに順応する協力者なのだ。そして、芸術家はそうした精神と身体の一致から出発するのだ。(『エミール・ジャック・ダルクローズ』 板野平訳 全御楽譜出版社 より)


 最初は、子どものための教育ではありませんでした。心理学や教育学に基づき、幼児からリトミック教育を受けることが人間形成にもっとも大切だと考えられるようになりました。

 リトミックをもっと大きくとらえ、年齢に関係なく、人間の芸術全般にわたって深くかかわり合いをもつものだと考えています。

次から次へと知識を詰め込むことが多い教育の中で、歌を歌う、楽器を演奏する、といった事だけではなく、音楽の持っている力、音楽に身を任せることの喜び、ゆったりとしたそんな心が、とても大切だと思います。



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