自分のやっていること、自分の力量。
これほど分からないことはありません。
能力だけでなく、姿、形、所作も自分には見えない。
~踊りのお稽古などもそれは顕著ですが、自分のお稽古そのものの時間より、
待つ時間に意味がある。
じっと人をつぶさ に観察し、あの人はこうすればいいのにと思う。
それを自分の番になったら置き換えてやってみるとか、
すなわち学びになるのですね。ところが現代は、自分の時間が来るまで他にいて、
さっさと自分のお稽古だけ済ませて帰っていく。
大切な学びがこぼれ落ちています。
上手な人に交わらなければ、上手にはなれないとも言われる。これは仕事にも当てはまるでしょう。
すぐそばでいい仕事をする人間を見ると、ハッと気づくものがあるのです。
しかし、「安物買いの銭失い」という教訓通りの現状が、今の日本には散りばめられていると思います。
「あ、欲しい。でも高いから、安くて似たようなものを買おう」となる。高みにあって手が届かないなら、
手に入れられる力をつける。その大切さに至らないのは、結局愚かですね。
自分をその本物に近づける事ができない。つまり、いつまでたっても階段を上がって行けないまま。妥協するクセがついた自分が残ってしまう。
そういう、間に合わせで自分を形作ってはならないと思います。
市川團十郎『市川團十郎が語る仕事 朝日新聞6/1夕刊“仕事力”』より
リトミックのレッスンの中でも、ひとりずつやってみましょう、ということをよくしています。
大勢の前でもひとりで出来る力を養うことでもありますが、
お友達の姿を見る姿勢も作っていきます。
よくできたら拍手。お友達の姿を見て真似て褒めてあげることが、自分をみつめなおすことにつながります。
作品ひとつにとっても、お友達とは違うこと。
十人十色で素晴らしいですね。
ちなみに、
歌舞伎の市川左団次もリトミックを取り入れた方のひとりです。
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